3ピースにするか、それとも2ピースにするか。スーツを注文する際には必ずどちらかを選択します。その際、基準となる理由や理屈はなんでしょうか。

トレンドどうこうは置いておいて、スーツの成り立ちから言うと、源流に3ピースがあり、2ピースはその簡略化されたスタイルであると言われています。ですので、クラシックな装いを志向するなら3ピース。軽快で活動的なのは2ピース。という分け方が考えられます。また、冬服は3ピースを注文し、夏服は2ピースにするという気候を拠り所に選択する方も当然いらっしゃいます。

しかし、数々のスタイルの栄枯盛衰が幾度となく繰り返され、新たなスタイルが生まれ得ない状況になった現代では、明確な選択の根拠が存在していません。つまり、お客様の気分や趣味性でどちらかを選んでいるというのが実態。クラシックなスタイルで仕立てるお客様でも2ピースを志向されますし、夏でも頑なに3ピースをオーダーされるお客様もいらっしゃいます。どちらを選ぼうが、それがオーダーメイド。大切なのは、着た結果。着る人がかっこ良く見えることが何よりも大事なことです。

フォーマルシーンでは、当然のごとく3ピースがいいでしょう。主催者側に対しての配慮として、TPOをきちんとわきまえることは、最低限の大人のマナー。厳粛な雰囲気を損ねませんし、何よりかっこいいのです。
また、出張が多い方はウエストコートの分（それに付帯するサスペンダーも含め）だけ荷物にならないので、3ピーススーツよりも2ピーススーツの方が幾分機能的と言えるかもしれません。

吉澤