良い生地って?

Topics 2020/04/22

スーツを扱うお店でよく目にする表記「super〇〇’S」。
この表記が何を表しているのか疑問に思った方も多いのではないでしょうか。
この 「super〇〇’S」ですが、 生地に使われる繊維(原毛)の細さを表しています。
例えば「super100’S」。
これは理論上、重量1kgの原毛で距離にして100kmの単糸(1本の糸)を作ることが出来るという意味であり、superの後ろにくる値が大きくなればなるほど細い繊維を使っているという事になります。
その繊維を使ってどのくらいの番手(太さ)の単糸をひくのか、ひいた単糸を何本撚るのか、またその撚り方などで出来上がる糸の性質は様々です。その出来上がった糸を織ることで生地は仕上がります。


糸の性質や、織り方、目付け、仕上げ方などによって生地のクオリティは変わるので一概には言えませんが、一般的にsuper表記の値が大きい繊維(細い繊維)を使用すると、なめらかな質感で光沢を備えた生地に仕上がりやすいと言えます。
現代では比較的、柔らかく艶がありラグジュアリーな雰囲気の生地、またはそれらを使って仕立てたスーツを表すのに使用されることが多いかと思います。


その一方で、ここ最近は英国製のぱりっとしたハリコシある生地を使ったスーツをトレンドとして良く目にします。
これらは前述の生地とはまた違った表情で、ハリがあり、鈍い光沢のドライな質感を備えており、それらを使って仕立てられるスーツは胸を張った様な緊張感ある雰囲気に仕上がりやすいかと思います。

さて、この違う性質を持った生地ですが、どちらが良い生地と呼べるのでしょうか。
私は、どちらの生地も良い生地であり、その生地の価値は着用する方各々によって決まってくると考えます。
個人の好みや、着用目的、TPOに即した生地を選択する事で仕上がるスーツの価値は高まり、生地自体も良いモノであった、と言えるのではないでしょうか。

当丸の内店では、オーダー価格¥49,000~で多様な性質の生地を数多く取り揃えております。
コストパフォーマンスの良い国産生地も、ラグジュアリーな雰囲気のもの、落ち着いた緊張感ある雰囲気のものなど幅広くご用意しております。
幅広い選択肢の中には必ず皆様お一人おひとりにとって魅力的な生地がございます。
それらの生地を使用して仕立てたスーツはきっと皆様にとって良い一着と呼べる代物になるかと思います。
皆様ぜひご相談くださいませ。

米田