世界的自動車メーカー・独『Mercedes-Benz』の事を、「メルセデス」と言うのが世界の常識なのだそうです。私たちが良く耳にする「ベンツ」は、普通は使いません。
因みに、私は20代の時に、村上龍の小説でこの事実を知ったのですが、未だに日常会話では、「メルセデス」ではなく、「ベンツ」と言います。なぜなら、たとえ世界の常識から外れていたとしても、「ベンツ」の方が日本社会では通じやすいからです。

ところで、スーツの代表的な織り柄に『グレンチェック』があります。正式名称は『グレナカート・チェック』と言うのだそうです。
グレナカート・チェックという固有名詞が世界の常識かどうかは、分かりませんが、私は日本社会で生きていますから、通じ難いグレナカート・チェックとは言わず、必ずグレンチェックと言います。
そんなことは、どうでもいいですが、今回はグレンチェックのスーツ地をご紹介します。

グレンチェックをビジネスで着るには日本の場合、多少の抵抗感があるかもしれません。相手先へ柄モノのスーツで伺うのは配慮が足りないと思われているのでしょう。
とはいえ、海外では非常にポピュラーで、職種を選ばず着用されていますし、役職をお持ちのビジネスマンが着る細かい柄のグレンチェック（小柄やシャドータイプ）が悪い印象を与えるという認識はありません。色の基本はグレイですが、ブルーやブラウンのウィンドウペインが入るものや、ネイビー地のモノも多く、隠し味が楽しめるチェック柄です。

当店では、グレンチェックを常時ラインナップしていますが、ここ数年、注文されるお客様が徐々に増えて来ております。
柄立ちが控え目なものなら、5m、いや3m離れればほぼ無地に見えます。ですから、柄モノに抵抗がある方も着やすいかと思いますよ。

吉澤

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