本日までは過ごしやすい気候でしたが、明日はまた寒くなるようですね。
三寒四温に振り回されながらも本格的な春の到来が待ち遠しいですね。
さて今回はスーツ生地の織り方でも春夏向けの“平織り”について紹介します。
生地の織り方は主に2種類に分けることができます。
当ブログでもたびたび出てくる “平織り” 、“綾織り”がそうですね。
本当はもう1種類 “朱子織り” という織り方がございますが、スーツ地では前述の2種類と比べても登場が少なくなるので今回は割愛いたします。
スーツ地のもつ特性や雰囲気はさまざまな要素が組み合わさることでそれぞれ表現されますが、特に織り方による影響は大変大きいものです。
特に着用シーズンは織り方によってほとんど決まってまいります。
日本には四季があるため1つのスーツを1年にわたり着まわすことはかなり難しく、春夏物と秋冬物で区分けされることがほとんどかと思います。
今回はこれからの春夏の着用にちょうどよい平織りについてです。
生地は縦に糸を引く経糸(たていと)と、横に糸を引く緯糸(よこいと)を織り合わせて生産されます。
経糸と緯糸を交互に格子状に織り込んでいくのが平織りになります。
画像は平織りの組織がわかりやすいように、太目の糸で織った生地の拡大画像です。
黒の糸とグレーの糸とが交互に格子状に織られているのがわかるかと思います。
ちなみに画像の生地は黒の糸が経糸、グレーの糸が緯糸になります。
平織りの特徴は、
①磨耗に強い
②綾織りと比べ生地の嵩がでづらい
③通気性がよい
④肌触りがさらっとしている
などが挙げられます。
特徴からわかるとおり春から夏にかけての着用に適していますね。
特に高温多湿の日本の夏は通気性が良く、肌触りもドライな平織りでないと厳しいものがあります。
このように日本でスーツを着用する上では、織り方による生地の特性を踏まえた生地の選び方が重要となります。
その為生地を案内する上で私どもは必ずご着用の想定時期を伺うわけです。
来る春夏に際し気持ち良くお仕事に取り組んで頂くための平織生地は今が最も豊富にそろっています。
春夏服をまだご検討中の方は是非一度ご来店の上ご相談くださいませ。
米田