いつも丸の内店のブログをご覧頂き誠にありがとうございます。今日は過ごしやすく穏やかな気候でした。秋の訪れを感じた方も多いのではないでしょうか。
スーツやジャケットのご注文も徐々に増えて参りました。ご注文の際お客様によく尋ねられるのが「センターとサイドどちらが多いですか?」ということで今回はベントのお話と題しましてご案内致します。
ベントとはスーツやジャケットの背中部分に入っている背割れの部分を指します。背の中央に1本である場合センターベントとなり、背の左右両方にある場合サイドベンツというように呼ばれます。
現代では主にこちらの2つがメインにはなりますが、19世紀以前にはセンターベントがより単純になったフックベントが多く仕上げられました。こちらは鉤型になっているものを指します。このことより伝統的なスタイルに似合うとされています。
ベントの起源として挙げられるのは乗馬しやすい為や剣などを吊るしやすくする為と諸説あります。
しかしながら、現在では礼服などで用いられるノーベントもあります。必ずしも背中を割ることが必要ということではありません。
現在スーツにおけるベントの主な意味合いとして挙げるとするならば、上着のシルエットにあります。かつては機能性のためにつけられたものが今ではウエストラインの絞りからより美しく魅せる美への追求なのかもしれません。
スーツの歴史に思いを馳せながらお作りするのもオーダーの醍醐味ではないでしょうか。スーツのご新調をお考えのお客様は是非丸の内店へ足をお運びください。皆様のご来店心よりお待ち申し上げます。
丸の内店 野口