もう一つの呼び名

Topics 2021/06/11

【 FRESCO(フレスコ)】とはロンドンのガニア商会の商標で、夏向けに開発した生地を売り出す際に名づけた名称です。
強撚糸の単糸を2本または3本で撚り合わせ織る事で気孔を多く持たせた通気性の良い生地になります。
この時点でお気付きの方もおられるかと思いますがそうです。毛織物でいうフレスコは、ポーラと同義なのです。
【 PORAL(ポーラ)】もロンドンのエリソン商会の商標でしたが、こちらの呼び名の方が広く分布し、特に日本では太番手の強撚糸を平織にした多孔性の生地を一般的にポーラと呼びます。

そのような背景がありながらも、力強く“ フレスコ ” と呼びたい生地が【 HUDDERSFIELD FINE WORSTEDS (ハダースフィールドファインウーステッド)社 】のFRESCOシリーズです。

今まで紹介した同様の生地では(英)FOX BROTHERSの【FOX AIR】が近い質感ですが、HFW社のフレスコシリーズは2本撚りの2PLY、3本撚りの3PLY、目付を軽めに仕上げたLite、アンゴラ山羊の毛を混紡したMohair、と4種類のクオリティを用意しています。

どれも非常に魅力的ですが共通している特徴としてとにかくコシがつよく張りがあることが挙げられます。
質実剛健を体現したような質感はHFW社ならではです。
次回からHFW社のフレスコシリーズを2回ほどに分けてご紹介しますので気になる方はしばしお待ちくださいませ。

米田