いい生地って、ナンダ?

Topics 2019/01/24

私共が取り扱っているスーツ生地は、40社余りが生産しており、数百種類にも及びます。

近年の流行をお話ししますが、80年代以降、紡績の技術が進歩し、超極細の糸が生産可能になりました。今やSuper 140’sなどの超高番手といわれるスーツ地は、雑誌などにも取り上げられ、どのテーラーに行っても目にします。シルクに似たしなやかさと光沢を兼ね備えたこの手の生地は、その仕上がりの華やかさや3シーズン着用可能なスーツ地(目付け250g~300g前後のウェイトが多い)として、瞬く間に世界中に広がりました。流行しているということは、多数の人から支持を得ているということですが、超高番手のスーツ生地は、無条件にいいものなのでしょうか?世の中にはそうではないものも、残念ながら、存在します。

また、店頭では時々、こういった声を耳にします。「超高番手の生地でスーツを作り、外回りの営業の際によく着たが、すぐシワになり、1年で破れてしまった。」とか、「日常使いに適した、過度な光沢を控えたスーツが欲しい。」といったものです。

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TPOを考えた生地選びは、スーツづくりにおいて重要なポイントなのは、いうまでもないことですが、今回はいいスーツ生地について、私的考えも多分に含め、申し上げます。

私が考えるいい生地の条件とは、以下の2つです。

一つは、原毛に弾力があること。弾力がある原毛で織られた生地は、羊毛自体に復元力があるので、一度シワになっても時間経過と共にシワが消えますし、そもそもシワになりづらい利点があります。仕立て上りも柔らかく包み込むような落ち感が生まれます。

二つ目は、打ち込みのいい生地であること。打ち込み=密度が高いということです。打ち込みがいい生地は、しっかりとしたハリとコシがあり、スーツ自体の耐久性を生み、美しいフォルムを形成してくれます。

以上の二つを兼ね備えた生地で仕立てたスーツは、たとえ10年着てもその価値観は変わることがなく、普遍的でな美意識を与えてくれる存在なのです。こちらサルトリアプロメッサでは、耐久性や防寒性などの実用性と、所謂みてくれの美つくしさを併せ持ついい生地をいつでもご用意しております。

「いい生地を見せて欲しい。」というお客様からの声をお待ちしております。

 

吉澤